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ゲームタイトル メーカー ジャンル
行殺・新撰組 ライアー アドベンチャー
パッチの要不要 攻略の要不要 一言感想
あてないとキツイ 無くても何とか 新撰組の史実があってこそ

パッチ同梱・新撰組のキャラを女の子にした不条理物、
「切腹よ☆」を連呼するOPソングと、突っ込みどころが多かったので
ただのバカゲー、2〜3流品だと思ってずっとプレイしていませんでした。

が、やってみたところ、
胸に突き刺さるゲームでした。

評価を「良」にしようか迷ったあげく、色々な理由から「可」止まりにしてしまいました。

また、下記の方にはこのゲームはお薦めしません。

1・新撰組マニア・新撰組に心酔している方
(私の知り合いは近藤の銃剣を見て「こんなのコテツじゃない!」と叫びました)

2・坂本竜馬のファンの方
(ゲーム中ではそりゃもう卑怯で下卑な男にされています)

3・時代考証めちゃくちゃな物が嫌いな方
(自販機がある、車がある等めちゃくちゃですから(^^ゞ)

では、レビューです。




可愛いながら独特のタッチで描かれるメインキャラは八雲剣豪さんの原画。
立ち絵がないかわりにフェイスウィンドウの中でころころ表情が変わります。
雑魚やサブキャラのフェイスウィンドゥは何人かで描いている模様で、
そちらの絵はかなり上手い下手の差があります。

メインキャラは新撰組で有名なキャラを女性化させた6人。
専用エンディングがあるキャラはそれ+3人。
巨乳・キツイ系・メガネ・天然ボケなどキャラも揃っています。
塗りは悪くなく、背景も及第点だと思います。

Hシーンはレズ・ホモあり。(爆)

胸のあるキャラも胸のないキャラもいますが、
Hぃ感じはちょっと薄いかも。


音楽

OPは歌なんですが……
ワザとそう歌っているのか、それとも歌う人が外してるのか
とっても微妙なOP曲です。(大汗)

ゲーム中の曲は独特の調子がありますが
どれもなかなか良い曲です。

会話のテンポがいいのでキャラに声が入っていないのが残念なところ。


システム

2001年11月13日にパッチが出ています。

プレイするときにはあててください。(T_T)

初回版にはパッチファイルが同梱されていますが、
それをあてないとプレイ出来ません。
一部そのパッチファイルのFDが空のまま出荷された物もあるそうなので、
確かめてください。

また、そのパッチだけじゃ
・特定のところでハングアップする
・特定のキャラのエンディングが見られない
・EXシナリオへの分岐ができない
等のゲームプレイに関する部分でのバグがあります。
ライアーソフトHPのパッチをあててください。

そのパッチをあてても誤字がゴロゴロありますが、
ゲームをする分にはなんとかなる範囲になりますので。(T_T)

と、かなりプログラム系は良くないです。(T_T)

ゲームシステムはと言うと、基本的にシナリオは選択肢などで別れていきます。
財政や評判などのパラメーターがあり、行動や選択肢によって上下しますが
エンディングに関係するのは不条理度だけです。
(不条理が100になったとき、0になったときにそれぞれエンディング、
特定の箇所で不条理60以上だと見られるCGが一つ)
他のパラメーターは、一切用なしです。(T_T)
何のためにあるんだか…。

登場人物はフェイスウィンドウで表示され、
そのウィンドウがキャラの動きを示すようにちょこまかと動きます。
その辺りはゲームにいいテンポを与え、
キャラを立てるのに一役買っていて良いと思いました。


シナリオ

史実にある新撰組の近藤・土方・芹沢・原田・永倉・沖田を女性にして
新米隊士である主人公との恋愛アドベンチャーッてことになっています。
ゲームの展開は不条理物系のギャグ、
横文字はバンバン出てくる、水着は着てる、自販機がある等、
時代考証はもちろんおおざっぱですが、
一応「池田屋襲撃」あたりまでの話です。
新撰組を知らなくても問題なく、知っているとより楽しめます。

メインキャラを一通りクリアすると土方のEXシナリオに、
土方EXシナリオをクリアすると沖田EXシナリオに進めるようになります。
土方EXは五稜郭の辺りまで、
沖田EXはその後までの話になっています。

基本はバカゲー、なかなか笑わせてくれますが
途中一転してシリアスに入ります。
バカとシリアスのバランスは程良く小気味良いのですが、
キャラによってシナリオの厚みが足りなかったり、
ストーリーの山場から幕引きまでのテンポが悪かったり、
ギャグなのかシリアスなのか判らない展開があったり(特に沖田)
詰めの甘さが感じられ、非常に惜しいと思いました。

また、Hシーンが色気が少なく、
「好きな人と身体を重ねてる」というより
「成り行きでなんとなく」っぽい
「成り行きでやってる」場合が多かったのも残念です。

キャラそれぞれに考えがあり、立場があり、
だからこそドラマがあってクリア後に感慨深くなるのですが、
それを担っているのが「新撰組」という実在した人物の生き様・死に様なので、
その部分の善し悪しはゲームの評価には加えないこととしました。
(題材を上手く料理した点は評価に加味してあります)

それでも、全体的には充分楽しめました。


全体を通して

バカゲーと思ってやってみたら、シリアスゲーでした。(苦笑)

テンポ良く進み、1回のプレイも2〜3時間程度で終わり、
セーブしていけばたいていのエンディングが見られます。
各話で出てくる押し借りクイズはマニアックですがなかなか面白いです。

新撰組を題材にして、史実を踏襲して話が進むため、
どうしても切ないエンディングのキャラもいます。
その部分がこのゲームを「ただのバカゲー」で終わらせずにいます。
そのバランスは絶妙だと思います。

良いところが多いゲームなのですが、それをかき乱すに充分な
バグの多さを抱えています。


誤字脱字、主人公の名前表示のバグ、選択肢が出ないバグ、
その他色々と最新パッチをあててもなお出てきます。

ゲームの中身だけを見るといくらか拙い部分はあるものの
楽しめる良作なのですが、
このバグの多さは目をつぶるにはちょっと過ぎるかと思いました。

なので評価は「可」ですが、とても「良」に近い「可」です。
「バグなんて気にしない」という方にはお薦め出来ます。


「歴史」という名の海で「幕末」という波によって生まれた新撰組という水泡は、
時には他の波に消され、時には波間を揺れて
散り散りに消えていきました。

信念はあった、義もあった。
でも、それは正しい道とは言い切れなかった。
人を殺め、それを代償として進む道だった。

このゲームをやっていて、そうやって消えた新撰組へ
少しだけ思いを馳せるのもまた一つの楽しみ方かも知れません。