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パンドラの夢専用感想ページ

※ここは「パンドラの夢」をプレイして感じた疑問・不明な謎・ちょっとした考察を
私・でくのの主観で書いてあるページです。
ネタバレを含みますので、ネタバレを好まない方はご注意下さい。


ゲームをやっていて、結構「?」と思うところが多かったので
ちょっと書き出してみます。
レビューの方で書いたことは割愛しています。
また、この話はループと言えるのか? いつからしていたのか?
等の考察や感想もちょこっと書いてみます。

プレイ中に感じた疑問 考察と感想 最後に

プレイ中に感じた疑問
ループ初期(キャラ別シナリオに入る前)のもの
ゲーム中の表記・場面など 個人的な疑問
夢の中で「プールはこの間
爆破されただろ」と実紀が言う
最初のループでプールが壊れていた理由が
ゲーム中で一切出てこないんですが…。
汚い手でイーゼルを撫でられ
水貼りをしなおしている。
イーゼルは絵を描くカンバスを立てかける台。
台が汚れても紙の水貼りをしなおす必要はないのでは?
水貼りで「蛇口を捻って紙を宛う
事をしている。
流水に紙を宛うと紙が傷むかと。
大きい刷毛などで水を塗るのが一般的では?

キャラ個別シナリオ・橘蘭
ゲーム中の表記・場面など
個人的な疑問
お湯を掻き混ぜる茶筅が転がってる」 「泡をたてたり、練ったりするのに用いる竹製の具。」
と辞書に出ています(^^ゞ
お湯を掻き混ぜる道具とは違うのでは?
「お茶は淹れるじゃなくて立てる 「点てる」じゃないかなと…。

キャラ個別シナリオ・永源寺実紀
ゲーム中の表記・場面など 個人的な疑問
Hシーン・胸でやって貰ってるときの
膣ともまた違う〜」というくだり
「キスしたこともない」と言う発言をしている・
前のキャラとのHは記憶にない等から考えると
いつの間に膣の感触を知ったの?
ドアに体をぶつけるときの
肋骨が砕けても〜」というくだり
その直後に肩を痛めていることから
肩からドアにぶつかっていると思われるんですが、
肩をぶつけてどうして肋骨が?
実紀が戻ってきた時に
バックファイヤーが起きますよ。」
と主人公が言っている
バックファイヤーはエンジンの手前で生ガスが引火する事。
室内にエンジン類があるのか判らない状態で
なんでそんなことが起きると言えるのか不明です。
バックドラフトの間違いとしても、酸素が少ない場所に
急激に酸素が流れ込んで起こる現象。
実紀を逃がしてる時点で酸素の出入りがあると知ってるはず…。
※追加
「フラッシュオーバー」(火災により充満したガスが引火して
爆発的に燃える現象)の事じゃないかという説を
大地さんから提唱していただきました。
なるほど、なんとなく意味は通じますが
やっぱりいくつかおかしい部分もありますし
単語が一つもあって無いんで気が付きませんでした(^^ゞ

キャラ個別シナリオ・源陽詩美
ゲーム中の表記・場面など 個人的な疑問
8月31日に死んだ人の一周忌
9月1日に行う
一周忌は命日よりも前にやる物じゃないかと。
早い分には1ヶ月前でもOKですが…。
Hシーン後、「終わって抱き合ったまま
見上げると、桜が咲いていた。」とある
春華が消えるときのCGでは花びらが舞い散り、
Hシーン中ずっと咲いていたように見えますが…。

その他諸々の疑問
永源寺といざHって時に「キスしたこと無い」と言っていた相手を
「初めてなのか、どうかはわからない。」と言うのはちょっと非道いような…。
同じく永源寺とH中ですでに下まで脱がせているCGが出た後のシーンで
「水の中で先輩のビキニを下ろし」というのはおかしいかなと…。
陽詩美とのHシーンで、服を着ている上から胸を揉んだいたはずなのに
服を脱がせる・めくる描写無いんですが、どうやってブラを外しにかかってるんでしょうか…。
櫻シナリオで父親からプレゼントがあると言ってるときに
「ペットはお母さんが駄目だからね」と言われてるのに「小鳥」と櫻が言ってますが、
小鳥もペットになるんじゃないかと…。
櫻シナリオ、妊娠中のお母さんが「ロボットに赤ちゃんを踏みつぶされる〜」と心配してますが
生まれた赤ちゃんを踏みつぶされるような場所に置くつもりなんでしょうか…。
最終章で主人公に「中見てやるよ」と言われてスウが恥ずかしがっていますが
どうして恥ずかしいんでしょうか…。(扉は背中にあるので胸を見られるわけで無し…)

キャラやシナリオに対する感想と考察

橘 蘭 死ぬ、殺しちゃえばいいのに等の発言をする気持ちは判らないこともありませんが、
現実としては自殺を選ぶ権利もない状態で手術台の上に乗る人もいるわけで。
それが判らない年令でもないかと思うので
精神的に幼い、またはわがままな様に見えました。

陽詩美とくっつくように唯人に言いながら自分は唯人とHしている辺りは、
言ってることとやってることが違うなぁと思いました(^^ゞ

また、最終的に蘭は死ぬかも知れない手術が怖かったのか、
見た目が悪くなるのが嫌だったのか、
誰にも心配されないのが寂しかったのか、
「蘭にとって一番嫌だったことは何か」がぼやけた感じがしました。

また、病気に関しての蘭の母親の発言に対してフォローが入っていましたが、
姉と妹を差別していた事に関してもフォローがほしかったかな、と思いました。

歌手が歌えなくなったら歌手じゃなくなりますが、
飛べなくなっても鳥は鳥。
きれいじゃなくても花は花。
「そうであること」がすでに、鳥が鳥で、花が花である理由じゃないかなと
私自身は思っています(^^ゞ

永源寺 実紀 蘭の後にこのシナリオを持ってくることで、
誰かが消えてしまうことに対する残された人達の
恐怖や悲しみ・動揺が上手く出ていたと思います。
順番として蘭シナリオの後に、
蘭と関わりの深かった実紀のシナリオを持ってきたのはとても良かったと思います。

が、折角最初で蘭のことで悲しみ、苦しむ実紀の姿も
途中で綺麗さっぱり消えてしまいます。
確かに自分の記憶が抜けたりするのは大変なことですが、
消えた蘭のことをかけらも考えていないのは勿体ないかなと。
また、実紀だけループの中に入っている理由が薄いのも
気になるところでした。

熱くて持てないバールを上着などでくるまず素手で持つのは、
パニックを起こしていたとしてもちょっと普通じゃないかなって気もしました。

ストーリー展開をかいつまんで思い出すと、
某ゲームの某先輩が頭に浮かんできます。
同時に某マンガの暗所恐怖症キャラも(^^ゞ

二重人格に関しては、自分の幼児期の人格(本人の人格)でありながら
身体的特徴(視力)が違うというケースは珍しいなぁと思いました。
どちらかというと瞬間的な「子ども返り」と言った方が
しっくり来るような気がしました。

源 陽詩美 中学時代にいじめにあったのはかわいそうだなと思ったんですが、
自分で「ひどいことするな〜」と言ってしまっているせいで
かわいそうさが一気に減少してます…。

最初はおっとりとしているのに、
妹のこと・ループしているのがおかしいことの話になると
急激に怒り出す辺りはちょっと情緒の不安定さを感じました。
理由は判るものの、だからこそおっとりしてるのが表面だけのように見えました。

いじめは良くないことだし、されている内容は子どもにありがちなことですが、
ループしている記憶があること・妹にも唯人に関することは譲らないこと・
2ループ目で春華より先に唯人の背中を流していること・
主人公が誰かと仲良くする度彼女でもないのに怒ること等を考えると、
陽詩美がいじめられた原因は唯人と一緒にいるからではなく
陽詩美自身がとっていた言動による物じゃないかという気がします。

陽詩美シナリオでは、陽詩美より春華の健気さ・優しさが目立ち、
Hでは「今までもどかしい距離だった二人がくっつく」というよりは
「据え膳があるから食べます」といった印象になっているのが残念でした。

このシナリオをやっていて、同社別製品に入っている話を思い出しました。
妹を弟に置き換えて後半を見ると…。

小野寺 櫻 父親には「いい子だね」と言われていましたが…。
義母の事を気遣う姿は、幼いからこそ健気だと思うんですが、
プレゼントをあげようと言ってる父親に対して
「人形はいらない」「元気な体が欲しい」などの発言や、
ロボットに感情回路があると判っている上で
スウに対して「おまえ」と呼んでいる辺りを見ると、
どうしてもわがままに見えてくるのが…。

動かない体、蔑ろにされて行く過程、離れていく父等、
寂しさや辛さが伝わってくるのはシナリオさんの腕だと思いますが、
櫻をかわいそうだと思うには少しわがままさが目につきました。
その分、そんな櫻にかいがいしく付きそうスウの
優しさや健気さがきわだったので、
それを狙っていたのならシナリオさんは凄いなと思います。
遊戯王(ジャンプのマンガ)風に言うなら、
「小野寺櫻を生け贄に捧げてスウの能力値をアップ!
小野寺櫻が墓場へ行くかわりにスウの健気さ優しさが500ポイントアップする」

という感じでしょうか(^^ゞ

全体的にバイオレンス&オカルトな感じのするシナリオでした(^^ゞ

あと、スウの体に血が溜まるような
「血をきれいにする方法」ってどんな物か、気になるところです。

スウ 「人間と同じだ」と唯人は連呼していましたが、
体温を測る場所が背中を開けた中にある等の部分を見ていると、
どうしても「作られたもの」という印象が強いです。

他のヒロインシナリオになった途端、飯炊き係や看護係になって
殆ど顔を出してくれなくなるのは寂しいと思いました。

最終章ではシステムに異常がないこと・バッテリーもあることを確認しているのに、
なんで急に動かなくなったのかが不明で、
勝手に動かなくなっていく姿には同情より恐怖を感じました。
また、それから数千日を経ってから急に回復してくる理由も謎のまま。
元に戻ろうとしてるのは判るもののそのきっかけが無く、
「なんで急に?」という疑問が頭に浮かんでしまいました。

壊れていく過程がまた、人が壊れていくというより
物が壊れていく過程といった趣があり、
「見た目は女の子でも物」と、逆に思い知らされた気がしました。
同時に、日数だけはきちんと数えるのに
どんどん言葉を使えなくなる唯人の壊れていく姿も
壊れるまでが早い割に日数だけは長くて、
四千日も必要だったのか疑問に思います。

怒る、という感情がないため、
同じように主人公に近い場所にいて怒りっぽい陽詩美とは対照的になっているのは
スウの可愛さは引き立つものの、
陽詩美というキャラにとってはマイナス効果だったかなと思いました。

ただ、ずっと記憶を持ち続けていたということは、
唯人が他の女の子と仲良くなる姿をずっと見続けていたということ。
唯人を想うが故に唯人の側にいて、
唯人の心が自分以外の存在に向けられるのを繰り返し見続けた
彼女の心痛はどれほどだったのでしょうか…。

それを考えると、このゲームのヒロインはやはりスウなのだな、
と思います。
もうちょっと想いが報われても良かったんじゃないかなと(T_T)

平野 唯人 とりあえず、幾何学・哲学・神話と幅の広い知識を持っていて
他の誰も出来ないアンドロイドの知識まで持っている。
中学時代は授業をまともに聞いていなくても問題を答えらていた、
バスケットも上手い方…等々の部分を見ると
文武両道に秀でたスーパーマンに見えるんですが、
Hなことになった途端、別人のように感じました。
胸に固執したり、人に水着の上から胸を揉ませて
「エロい!」と考えていたり、
H最中の言葉責めで胸のサイズやカップを聞いたりと
まるでセクハラオヤジのよう。(^^ゞ
男はみんな狼なのかも知れませんが、
ここまで変わるとあっけにとられる部分の方が多かったです。

あと、永源寺実紀シナリオで二重人格を「先輩らしい」とか
「かわいい」とか言ってますが、それは褒め言葉じゃない気がします(^^ゞ

全体的に環境とヒロイン達に振り回されっぱなしだったように見えました。
最終章での彼の姿をみて、
バイオハザードに出てくる
ゾンビになる病気にかかった人が書いた日記を思い出しました。
(「体がかゆい・肉を食べたらうまかった」が
「かゆ…うま…」になっていく日記)

まとめ こうしてキャラを見ていくと、スウ以外のヒロインが
非常にわがままで精神的に幼いというところが目につきます。
唯人とヒロインがくっつくのを見ても、
他の選択肢が無いから「仕方なく」くっついた、
という印象が強いです。
逆にいえば、「こんな可愛いヒロインとならくっつきたい」と思うキャラが
殆どいなかったような…。

ループがいつからいつまでか、に関してですが
1回目のループですでに夢の中で記憶を見ていること、
陽詩美シナリオにあるバッドエンドが24日から始まること等から
実際に「ループ」しているのは
「8月24日〜繰り返してる25〜31日を含め9月1日まで」
だと私は推測しています。
9月1日まで入れてあるのは、
終わり方が「夢を見るよ」と唯人が思うシーンで終了していることと
ループしているときに描いた物をスウが持っていた
(ループしている空間は別の世界だから壊れていった事になったいたはず)
=9月1日もループしている空間の中にあると思われる事などからです。
つまり、このゲームの内容=ループしている内容かと。
そういう意味で、間違いなく「ループアドベンチャー」なんだろうなと。

どうしてループが起こるのか、ですが
スウのせいでループをしている、と最終章では言ってますが、
スウのせいというだけでは主人公が夢の中で櫻のことを知る理由が無いです。
これが整合性がとれていないだけ…と言うならまた話は変わりますが、
そうでないのなら、ループは櫻の願望による部分も大きい事は無視出来ないかと。

体の不自由な櫻が最後に夢見た物をスウが実現させているとも、
スウが実現させているのを櫻が死に際に夢見ているとも
考えられるんじゃないかなと思いますが…。
主人公が「スウの夢を見たい」と願い、その通りの夢を見ている、
という考え方でもまた良いかなとは思ってます。
櫻の夢か、唯人の夢か、二人で見ている夢なのか。
それはゲームだけじゃ判断がつけにくいなと思いました。
一番筋が通っていそうなのは
1・櫻の「こんな事があったらいいなぁ」という希望で別世界が発動
2・その世界が楽しいと思うヒロイン達とスウの気持ちが
合宿を繰り返させるループを発動
3・ラストシーンで唯人の願望により24日に逆戻り

なんじゃないかな、と。

何はともあれ、諸悪の根元は櫻の父親と義母なのは確かだと思いますが。

でも、「夢」って何でしょうね。
少なくともこのゲームで出てくる夢は、現実からの逃避です。
夢を生きるための希望と見るのか、
現実の辛さを思い知らせる「儚い」幻と見るのか。

答は出ずとも、人は夢を見続けるのでしょう。


最後に

考察と言うより感想と疑問集といった感じになってしまいました(^^ゞ
他にもデバッグでチェックすべきと思われる部分もありましたが、
とりあえずそれは割愛しておきます。

突っ込んでいる部分は多いですが、それ以上に全体のテキスト量は多く、
総合的な話の流れ・持って行き方は良い方だと思いながらプレイしました。
ループの理由がオカルトながら、「夢織りの血」というのは面白いと思いました。

だからこそ、もっと詰める部分や書き込む部分・削る部分はあったように感じるし、
そうしたら今以上の出来になっていたんじゃないかと思います。
できない人に「やれ」というのは、私がもっとも嫌うことです。
出来ると思うからこそ、もっと上をと思うのです。

ご意見などございましたらどうぞメールでご連絡ください。
少なくともこのゲームは楽しめたからこそ別ページを作っているということを
ご理解いただけたら幸いです。